ミラクルクリームソーダ

いい加減にしてください

明日からがんばれる

2018/9/29。

片山さゆ里さんの初ワンマンを目撃してきた。

 

こういうライブレポみたいなの最近はやめていたのだけど(個人的な理由)、うまく短くまとめられなかったから開き直って書くことにした。

 

 

アーティストや楽曲とリスナーとの間にはそれぞれのストーリーがあって、それぞれの届き方がある。私はあのライブを通して「大丈夫だよ」と言われたような気がした。

 

(以下めちゃくそに個人的な話)

 

ライブ告知などの各種発信からもわかるように、さゆゆさんはとてもマメで丁寧な方だ。

今回のワンマンの会場でもある無力無善寺、行ってみたいなと思いつつも(あの感じなので)なかなか勇気が出ずにいた2年前の私は、たまたまその日の出演者の中で唯一?がっつりツイッターを活用していたさゆゆさんに、FF外から失礼するゾ!的な感じでリプライを送った。初めてなんですけどフラッと行って大丈夫なんですか‥?的なやつだったと思う。そしたら、すっごく丁寧で優しい返信が届いた。安心した。階段を登って、扉の前でもだいぶまごまごしたがw、無事私は無善寺を門を叩く(?)ことができた。

 

そしてその日見たさゆゆさんのライブがすごく良かった。バスジャックとか万引きとか、なんつー題材?!と驚いたが、その視点で書こうという発想やフックの効いた言葉選びがとにかく凄いなと思った。「生きる」という詩のカバーもされていたのだが、小学生の頃教科書に載っていて何度も読んでいた詩、且つ当時はあまり意味がよくわかっていなかったその詩が、あのとき何百倍ものエネルギーを帯びてぐっさり刺さった記憶が今も残っている。

 

ライブ後ひとりひとりにプリクラを配布していた時も、リプライした者です‥と言うとめっちゃ優しく接してくれた。とにかくめちゃくちゃ良い人だと思った(突然の小並感)。

 

その後も度々第3木曜のさゆゆさんを見に行った。あの扉も躊躇いなく開けるようになった。いろいろと話もさせていただいた。なんかいつもうまく話せなくて、照れ臭くなってしまって言えなくて、今更こんなにいろいろ言ってすみませんという気持ちなのだけど、私はさゆゆさんの歌がすごく好き!!

 

自分も音楽をやりたいという気持ちはずっとあったから、始めた暁にはこんなふうにかっこよくなりたいなぁ、恩返ししたいなぁ、など思っていたので、一度辞める宣言(及び地元に帰る宣言)の時は、個人の人生!しゃーない!と思いつつも実は静かにショックを受けていた。

 

そんなこんなで歓喜のカムバック、そして迎えたこの日のワンマン。

ソファが(豪快に)外に放り出された満員の無善寺に着くなり、今日が来てほんとーーーによかったーーー!って思った。

 

 

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さゆゆ先生〜〜〜!

 

繊細さとえげつなさの使い分け、声質を活かした細くも芯のある高音、言葉の余白の作り方とか、とにかくひとつひとつが洗練されていて純度が高すぎた。

歌詞が強いうえに滑舌がとても良いのでとにかく聞き取りやすい。だから新曲もちゃんと聞き取れて、流し聴きにならずじっくりと聴けた。

遅れてきたお客さんが入ってくるたびに入り口にしっかり目を向けていたのも印象的だったなぁ。

 

個人的にはやはり歌詞をめちゃめちゃ聞いてしまうのだけど、Break の中の「誰かや何かを軽蔑してると安心する」という歌詞が私はすごく好きで。人は人だよね〜、全く同じ感性なんてないんだから他人を否定したくないよね〜、なんて思ってもやっぱり、マジこいつクソ!って気持ちで満たさないと耐えらんない瞬間とかあるし、私はこんな奴らとは違うもんね!って自己正当化と他者否定でバッキバキに尖ることで安定感を掴むこともある。私もそうだよ!って手を挙げたくなる(笑)

 

冒頭に歌った 秘密 の「たまに人づてに名前を聞いて 元気だってことは知ってる」。これもアーーーーーーーッてなった。このアーーーーーーーッを的確に言語化できない自分の語彙力を呪う。人と人の距離感、あの頃が終わって恐らくもう交わることはない人生、でもさよならでもリセットでもない、あのなんともいえない切なさというか、人と人って終わらないんだな、みたいな、アーーーーーーーッ。すみません修行します語彙を。

 

あんまり書きすぎてもアレだからこの辺にしておくけれど、どこを切り取っても100%を超えた何かが溢れていてあっという間の時間だった。

 

あっ、一個だけ。

守護神 の「この絶景に拍手を」って歌詞、初めて聴いた時から勝手に響くべき景色を想像してたんだけど、やはりこういう瞬間にしぬほどかっこいいやつやな!と思ったね。あの時さゆゆさんもとっても良い顔をされていたよね!

 

 

開演前も終演後も客側があまりにも静かで、通夜みたいだ!ってくだりでようやく笑いが起きる、ってのが何回かあったけれど、でも決して重たい空気ではなかった。それぞれが楽しみにしていて、それぞれが余韻を噛み締めている感じ。終始とても優しい時間が流れていたなぁと思う。

 

新譜、iPhoneにも取り込んで何度も聴いている。凄く良いです。ソフトケースってかわいいね。歌詞カードももちろん全部読みながら、聴いた。凄く良いです。驚異的暴風雨で家が揺れる夜中にもそっと安心を届けてくれました(マジやばかった台風)。

 

苦しさとか辛さとかは個々人だから、比較するものではないのだろうけど、きっと物凄い数の、物凄い高さの壁をたくさん乗り越えて今に立っている人だから、その佇まいと澄んだ音楽がくれる勇気と優しさはとても力強かった。まっすぐな生き様がそのまま作品に出ている。「大丈夫、君もやっていけるよ」って言われてるような気がして、それは私にとってどこまでも救いだった。

 

 

単独行動が好きで、社交性も最低限しかなくて、上京してもクソ狭いコミュニティ、っていうかもはやコミュニティと呼べるレベルのものなんてほぼなかった私が最初に出会った"東京の人"がさゆゆさんで本当に良かったなぁって思っている。

 

時を経て、私も少し前からものづくりの側に立つ人間になったけれど、これからも片山さゆ里ファンだし、憧れだし、自分自身、もっともっといろんなことちゃんとしたい、がんばりたい、乗り越えたい、そう強く思えた日だった。

 

素敵なライブをありがとうございました!

 

 

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