ミラクルクリームソーダ

いい加減にしてください

お前のために生きてない

この夏はセルフネイルにハマった。マニキュアは薬局で買う。グリッターやラインストーンもあえて全部ダイソーで揃える。デザインは1から自分で考える。私はセンスがあるのでめちゃくちゃ可愛く仕上がる。何かと目に入る爪の先がキラキラしているのは楽しいし何より可愛い。自分で自分の可愛いを作り出す。でもそれはお前のためじゃない。

 

夕方になっても崩れない優秀なアイライナーを教えてもらった。フェスで半日外にいても、炎天下を汗だくで歩いてもヨレない優れもので、手直しも楽だった。嬉しくなって、化粧がまた1段階楽しくなった。武装して歩ける外ぐらい、少しでも良い方の私になりたい。でもそれはお前のためじゃない。

 

年がら年中素敵な服を着たい。素敵だと思われる服装をしたい。自分がいちばん素敵に見える服を着て歩きたい。でもそれはお前のためじゃない。

 

ちょっと太ったから痩せようと思った。綺麗に水着を着たいと思った。食事制限を頑張って少しすっきりした身体で良い写真が撮れた。これはインスタに上げよう。でもそれはお前のためじゃない。

 

 

私が私を良くしたいのは、きれいになりたいのは、全て自分がこの混濁した世界をなんとか生きていくためにやっていることで、お前のためじゃない。お前のためにやってることなんてひとつもない。

世の中の女が自分を高めようとする理由が全て男を意識しているなんて思い上がりもいいところだ。(ほかの人は違うかもしれないけど)私は、私を選びたいと思える私になろう、ただそれだけのためにやっている。お前にラベリングされる筋合いはないし、頼んでもない格付けされる意味もわからないし、お門違いも大概にしてほしい。

 

なんで女に生まれたんだ。めんどくさい。何も得しない。めんどくさい。それでも私はおしゃれをサボろうとは思わないし、ちゃんと化粧もするし、ネイルもするし、髪も可愛く染める。わかりますか。なんでも一括りに、簡単に性に変換するな。女というカテゴリで判断するな。私は男とか女とかじゃなくてただ1人の人間として判断されたいだけなのにそれすら上手くいかなくて本当にめんどくさい。こういうのが思い通りに伝わらないこと、わかってもらえないことなんてとうの昔にわかっていたのに、歳を重ねるほどに耐えられなくて絶望する。

 

私はお前のために生きてない。