ミラクルクリームソーダ

いい加減にしてください

流動する正解

ポーランド戦を見た後に書いたやつだから多少タイムラグありけり。

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久しぶりに本気でサッカーを観た気がする。ライブハウスに通い始める前の5年くらいを私はJリーグ観戦に捧げていた。久しぶりにあの頃の熱量が蘇り、それはそれは滾る思いで缶チューハイ片手に液晶にかじりついていた。

W杯の大舞台、負けている状況にもかかわらず20分近くに渡るパス練状態、相手も無理に攻めて来ず、なんだこれ状態の終盤。恐ろしく緩い試合なのにとんでもない緊迫感。そして画面越しでも耳が痛くなるようなブーイング。どんな気持ちで見るのが正しいのかわからず、私は絶え間なくイカ天を口に運びコーラサワーで流し込むことしかできなかった。

結果として日本は負けたが決勝トーナメント進出を決めた。試合には負けたがW杯では勝った。ツイッターは大炎上していた。正直私は最初少々腹が立っていた。あんなモヤモヤする試合観たくなかった。最後まで攻め抜いた結果が観たかった。あの状況を続けたところで他会場の試合が動けば一瞬でさようならだったのだ。結果この大博打に勝ったから良かったものの、必ず勝てるという状況でもないのにかなり早い段階であの選択に行ったことに疑問を抱いた。

でももしあのまま無理に攻めカウンターを食らって負けていたら、もう"次のチャンス"はなかったし、ベスト16というひとつの大きな結果も手放すことになっていた。そう考えればあの選択は最善だったというのもわかる。

「全力」というものがこの場合何をさすのか。「試合としての美しさ」なのか「W杯で勝つこと」なのか。私は基本的に「個人の感性だよね」で済ませるのはあまり好きではなくて、徹底議論のもと自分なりにどちらに傾くか考えたいのだけど、流石に今回に限っては個々人の信ずるところの問題であり、どちらが正しいとかないんじゃないかと思った。ただ、どんなに気持ちを入れ込んだところで私は結局外野の人間で、選手がどんな想いでここまで来たかなんて計り知れない。「どんな形でも"次のチャンス"に繋ぎたい」というチームの気持ちが選んだ戦い方とその結果だと思うし、我々にどうこう言う資格はないよね、と。仮にもし負けていたらそれはそれで叩かれるんだろうし。…しんどいなぁ。笑

 

今回の試合とそれに伴う騒ぎを見て、これっていろんなことに通ずることだよなぁと凹んだ。謎に凹んだ。例えばアーティストの類でよくある「売れるためならどんな手も使う」と「売れるためなら何でもするのかよ」問題もそう。結局「売れれば勝ち」もひとつの真理であるし、「売れれば今までやってきたこととか簡単に曲げるのかよ」という意見も全くの正論だと思う。この議論は何百回しても解決は出来ないだろう。個々人がどこで折り合いをつけるか?ってところに尽きると思う。

この社会の中で生きていくうえで「仕事」と「プライド」の折り合いはどこまでも難しい。

 

掴んだ"次のチャンス"は7/2 27:00。労働者にとっては地獄のような時間だが、これは是非見届けたい。と思っている。もう他会場とか気にしなくていいからね。熱い試合が観られますように!

 

やっぱサッカー好きだなー!